戦国史跡 「歴女」急増中 武将の男らしさに...
6月9日11時59分配信 毎日新聞
戦国時代の史跡が若い女性たちでにぎわい、武将をテーマにしたグッズも女子大生らに人気だ。背景にあるのは、歴史好きの女性「レキジョ」(歴女)の増加。歴史を扱う本の売れ行きも好調で、武将を取り上げた文庫本を復刊する動きも出ている。なぜ、いまレキジョなのか。【田村彰子、遠藤拓】
06年2月に開店した書店「歴史時代書房・時代屋」(東京都千代田区)は、週末になると若い女性のグループであふれかえる。開店当初は男性客が中心だったが、昨年は男女ほぼ同数に。女性客の9割は20~30代という。
店内には、大名家の家紋をあしらった文具やストラップなどがズラリ。武将の中で一番人気という真田幸村などのフィギュアも人気を集める。江東区の会社員、関根いずみさん(34)は「加藤清正が好き。絵に描いたような男らしさにひかれます」と笑顔を見せた。
一方、伊達政宗の側近、片倉小十郎の地元・宮城県白石市。昨年8月、JR白石駅前に小十郎プラザを開設したところ、グッズの売り上げが10万円以上に達した日もある。白石城の大型連休の入場者数は前年比135%。市によると、若い女性ばかりが訪れているという。幸村の地元・長野県上田市の市観光会館でも、関連グッズの売れ行きが好調だ。
出版界でも影響が広がる。月刊誌「歴史街道」は5年前には7万部未満だったが、12万部に伸びた。辰本清隆編集長は「読者の女性比率が15%から40%に上がった」。PHP研究所は絶版となっていた「伊達政宗」や「上杉謙信」などの伝記を今年3月末に復刊。好評のため「細川忠興(ただおき)」「蒲生氏郷(がもううじさと)」なども近く復刊する。
変わったものも売れる。男性用の「甲冑(かっちゅう)パンツ」。9240円もするが常に品薄状態で、客の8割は女性だという。制作・販売会社「ログイン」(東京都)の野木志郎社長は「ブームの影響もあり、贈答用で人気が出たらしい。今後は女性用も手がける予定です」。
◇生き様のかっこよさ求める女性たち
歴女は元祖・歴史ファンの中高年男性とはどう違うのか。NHK大河ドラマ「天地人」で時代考証を担当、戦国時代を巡る著書が100冊を超える静岡大名誉教授、小和田哲男さんは言う。
「一般的に、男性は合戦や人の使い方を企業社会に結びつけて理解し、実際に役立てようとする。女性は武将の生き様のかっこよさに焦点を当てていく」
歴女が歴史上の人物に首ったけになる理由について、小和田さんはこうみる。
「政界でも財界でも、現代の指導者といわれる人々は、自分さえよければとの考えを持った人々が多い。女性たちはそこを嫌っているのかもしれない」
一方、電通総研の東田哲明リサーチャーは「男性が『草食化』していると言われ、反動で女性たちは『力強さ』などを持つ戦国武将にひかれるのでは」と分析。「男性が料理をする、女性がゴルフをするなど『男女の逆転現象』も起きている。昔は男性の領域だった戦国武将を女性が趣味にしても、世間に受け入れられやすいことも背景にあるのでは」と話している。
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