道服:銀献上で家康から拝領した羽織、再現 大田・世界遺産センターで公開 /島根
6月2日18時1分配信 毎日新聞
◇絹6色染め、襟は金襴 大田市が京都の職人に依頼石見銀山の銀を献上した山師の安原伝兵衛が徳川家康から拝領したと伝えられる羽織「辻が花染丁子文道服(はなぞめちょうじもんどうふく)」(国重文)の再現品が完成し、1日、大田市大森町の石見銀山世界遺産センターで一般公開された。実物は京都国立博物館に保管されているが、銀山の歴史を語る展示物として同市が製作費1000万円をかけ再現品を発注、京都の染物職人集団が当時の技術を再現しながら仕上げた。公開は7月5日まで。
伝兵衛は、同銀山の主要坑道だった「釜屋間歩」を開発。1603年、間歩から産出した多量の銀を献上された家康は、「備中」の名とこの道服を伝兵衛に与えた。道服は、上級武士が着飾るために羽織ったもので、銀と並ぶ当時の貿易品だった絹を、絞り染めの「辻が花染」で6色に染め、襟は金襴(きんらん)、模様はやはり当時の貴重な貿易品だった香辛料「丁子」をあしらっている。伝兵衛は、銀山近くの清水(せいすい)寺のお告げで間歩を発見したことから、この道服を同寺に奉納。その後、同博物館が保管している。
「辻が花染」の技法は、江戸時代にはすでに失われていたが、市の依頼を受けた染色職人集団「染技連」は、同博物館の指導を受けて再現。化学染料を一部使用するなど、色落ち対策も行った。
公開に先立ち同センターであったセレモニーには関係者約10人が参加し、除幕した。先代住職・熊谷弘孝さん(05年死去)の長女・尾崎道子さん(70)=同市長久町=は「子どものころ虫干しなどで目にする機会がありましたが、本当にきれいに再現していただきました」と話していた。【鈴木健太郎】
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