宇治川太閤堤跡 史跡に 文化審答申 07年発見、スピード決定

 国の文化審議会(西原鈴子会長)は15日、宇治市の宇治川太閤堤(たいこうづつみ)跡など10件を史跡に指定するよう塩谷立・文部科学相に答申した。京都府内の史跡は84件(特別史跡3件を含む)となる。

 宇治川太閤堤跡は、豊臣秀吉が1594年の伏見城築城に伴い築いた堤防。一昨年からの発掘調査で宇治川右岸の約400メートルが発見された。極めて保存状態が良く、城郭のような石垣を積み、水流を調節する「石出し」を備え、当時の技術水準の高さを示している。
 宇治川は本来、旧巨椋池東側に流れ込んでいたが、堤の造営で伏見城下を通って淀川に流れ込むようになり、伏見が京の外港として発展するきっかけとなった。
 史跡に指定されるのは、宇治川の旧河川跡など堤周辺の地形を含め、2万2584平方メートル。当初、民間の住宅地となる予定だったが、事業者の同意が得られたため、発見からわずか1年8カ月で指定が決定した。宇治市は史跡公園として整備する方針という。
 滋賀県では、近江大津宮錦織遺跡と甲賀郡中惣遺跡群の二史跡で追加指定が行われる。
 このほか、審議会は、別府温泉の観光名所「別府の地獄」(大分県別府市)や、アイヌ語で「美しい・形」を意味する景勝地「ピリカノカ」(北海道名寄市、石狩市)など4件を名勝に指定するよう答申した。アイヌ語表記の名勝指定は初めて。

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