文化審答申:国指定史跡、県内2件 天草・棚底城跡と山鹿・隈部氏館跡 /熊本

 国の文化審議会が15日、国指定史跡に選定するよう答申した全国10件の中に、県内から天草市倉岳町の「棚底城跡(たなそこじょうあと)」と、山鹿市菊鹿町の「隈部氏(くまべし)館跡(やかたあと)」が入った。県文化課は「国指定史跡に2件答申されるのは珍しい」としている。【遠山和宏、西東靖博】

 天草市倉岳町の棚底城跡は中世に建てられたとみられ、指定対象面積は4万2000平方メートル。岩盤を掘り込んだ柱穴が数多く見つかっていることや1100点の輸入陶磁器が出土していることなどが評価された。
 市教委によると、棚底城を巡っては天草の戦国武将が数多くの戦いをした記録が残っているという。02年から旧倉岳町が町史をまとめるため始めた発掘調査で柱穴や陶磁器が見つかり、貴重な史跡だと判明した。安田公寛市長は「大変うれしく思う。継続的な調査をし、保存整備に努めていきたい」とコメントした。
 隈部氏館跡は1587(天正15)年、豊臣秀吉の九州平定後、肥後の国主となった佐々成政の支配に52人の国衆(土豪)が反旗を翻した肥後国衆一揆の中心的役割を果たした隈部氏の居館跡。福岡、大分県境に近い八方ケ岳山系の南西側山腹にある。史跡の指定面積は3万4000平方メートル。館跡は東西70メートル、奥行き60メートルの扇形をした平場に礎石建物跡や庭園遺構が残っている。
 建物跡は南北に2棟並び、南側が公式会見場の主殿、北側が社交や遊興場の会所と推定される。庭園遺構は会所の東側で、池跡や踏石があり、保存状態は良好。「中世肥後を代表する国人領主の居館の様相を知る上で貴重」とされる。

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