直江兼続、春日大社にも「愛」娘の名で釣り灯籠寄進

 NHK大河ドラマ「天地人」の主人公で、戦国武将の直江兼続(なおえ・かねつぐ)(1560~1620)が、春日大社(奈良市)に厚い信仰を寄せていたことが、元神主の家に保存されていた古文書の調査でわかった。同大社が23日発表した。境内には兼続が寄進した釣り灯籠(どうろう)があり、油代が毎年届けられていたという。

 平安~明治時代に大社の神主だった大宮家に伝わる「大宮家文書」によると、兼続は1588年5月、主君の上杉景勝らと大社に参拝し「馬代」として3貫文や刀を奉納。1600年12月には兼続の娘の名で釣り灯籠(青銅製、高さ56センチ)を寄進。翌年には「山城守(兼続)殿様御灯籠灯籠油代請取」と記されていた。以後も同様の記述があり、毎年、油代が奉納されていたとみられる。

 灯籠の寄進は、関ケ原の戦いで西軍が敗れ、西軍側についた上杉家に対して徳川家康が処分をまだ確定していない時期。同大社宝物館の松村和歌子・主任学芸員は「背景には、上杉家存続を祈願する兼続の強い思いがあったのではないか」と推察する。

 兼続の没後の1625年には妻のお船も参拝し、当時としては破格の約10貫文を納めていた。日本銀行貨幣博物館によると、1貫文は現代の2万5千円程度という。

 春日大社は藤原氏の氏神。上杉家は藤原氏の流れをくむとされ、景勝を養子に迎えた謙信時代の居城だった春日山城(新潟県上越市)には分社がまつられていた。このため、重臣の兼続も信仰を深めたとみられる。釣り灯籠は「天地人」の放送を受け、春日大社が3月末から本殿前の回廊の軒先に移し案内板を設けている。(土居新平)

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