会いたい聞きたい:河原町文化開発研究所の長野聖二さん /熊本

6月28日16時2分配信 毎日新聞
◇「アートが飛び出す町に」-長野聖二さん(37)
 熊本市河原町。繊維問屋街の古いまち並みが残る白川沿いのこの町に、個性的なアトリエや飲食店が目立ち始めた。仕掛ける町づくり団体「河原町文化開発研究所」所長の長野聖二さん(37)に、アートをキーワードにした町再生にかける意気込みを聞いた。【大塚拓三】

-河原町の歴史を教えてください。
◆加藤清正が、他国の侵略を防ぐために格子状に区画したところです。戦後は、バラックが林立して闇市ができました。1957年の大火を契機に問屋街に生まれ変わり、60~70年代には200店が並びました。問屋は郊外に拠点を移すようになり、10年ほど前には約10店舗しかない、元気を失った町になってしまいました。

-河原町文化開発研究所はどんな活動をしているのですか。
◆04年に地元の商店主が集まって作った組織です。アートを核にした町づくりプロジェクトをしています。ギャラリーからカレー店まで、加盟する16店舗のスタッフが、月1回「アートの日」を開きます。九州各地から芸術家が詰めかけ、地元の人たちがダンスや写真、絵などを発表して、一日限りの「博覧会」をします。

-ほかにも活動はありますか。
◆昨年12月に「河原町文化祭」を開きました。アーティストの日比野克彦さんや市現代美術館の桜井武館長らに参加してもらいました。お寺の駐車場で「河原町アート大賞」を投票で決めました。駐車場では寒い中、こたつを出して「青空文化会議」をしました。

-なぜ河原町にこだわるのですか。
◆築50年以上のコンクリート作りの建物が残る街に事務所を置いて、新たな建築デザインに挑戦してみたかったんです。

-近くのコンビニエンスストアに「かわぞう」という無料紙が置いてありました。
◆手のひら大に畳めるようになっています。「町をソウゾウする」意味で名付けました。月1回、1500部作ってコンビニや雑貨店、大学に置いてもらっています。アートの日のリポートを載せ、町内各店の割引き情報を付けます。編集者は1人ですが、インターネットで各店がデータを寄せ合うシステムで作業しています。

-河原町をどうしていきたいですか。
◆旧来の「アート」は美術館の中で完結しがちでした。河原町と周辺には築60年以上の古い民家が400軒近く残っています。これらを建築士として再生したい。「アートが町に飛び出していく」場所として河原町を成立させたいです。
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 ◇プロフィル
 大分県杵築市生まれ。熊本大学卒業後、建築設計事務所勤務などを経て、01年に独立、河原町に「長野聖二・人間建築探険處」を設立した。

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