「信長の野望・天道」連載(第3回)―「街道」を核にシステムを整理した「天道」
10月5日11時47分配信 ITmedia Gamez
公式サイトでの体験版配布に始まり、9月18日にはついに製品版が発売された「信長の野望・天道」。購入直前の予行演習として、今回はまず体験版をやり込んでみたい。というのも、今回の体験版では外交要素を除くほとんどのルール/システムを試せるというだけでなく、逆に製品版には収録されていないショートシナリオが提供されているからだ。製品版を間違いなく買う予定の人であっても、これを楽しまない手はないだろう。
前回も少し触れたとおり、体験版オリジナルシナリオ「鳥なき島の蝙蝠」の題材は、長宗我部元親による四国統一であり、シンプルながら緊張感のある展開を通して、実践的なノウハウを身に付けられる。
「信長の野望・天道」連載(第2回)――「街道」を核にシステムを整理した「天道」
→http://gamez.itmedia.co.jp/games/articles/0909/18/news024.html
このシナリオの概要と基本的な攻略方法、また、シナリオを楽しむ以前に「天道」のルール/システムと操作方法を一から学べるチュートリアルコンテンツについて、解説していこう。
●今度のチュートリアルは北条氏政・幻庵コンビ
前作「信長の野望・革新」をプレイした人なら、四国の小大名である一条兼定を題材にした、コミカルなチュートリアルを憶えていると思う。今回の体験版に付属しているのは、いわばそれを北条氏政に置き換えたものだ。後世に暗君とされ、しかも家督を継いだばかりの主君に家中の長老や師僧が教訓を垂れるという体裁で、データの見方や操作方法を解説していくのである。
で、今回の北条氏政は、名胡桃城をめぐる真田家との衝突を直接の原因として、豊臣秀吉の小田原征伐を引き起こしてしまい、それ以前、それ以後の対応も含めた不首尾から、北条家を滅ぼすことになってしまった、気の毒な大名である。父である北条氏康と一緒に食事をしていて「お前はここまで何千回、何万回も食事しているだろうに、なぜ一杯のご飯にちょうどいいだけの汁を、一回で掛けられないのか」と言われ、当主たる器量、気構えについて小言を言われてしまったという、俗流エピソードの主人公でもある。なんというか、大名家の頂点に立つのは確かにたいへんなことだろうとは思うが、食事の要領一つで資質を問われてしまうのも、かわいそうな話ではある。
そんな世評を背景に、先々代である北条氏綱の弟、つまり氏政から見て大叔父に当たる北条幻庵が、ときに"話の長いじいさん"として敬遠されるといった小ネタを交えつつも、プレイの手ほどきをするというのが、チュートリアル全体の仕立てだ。肩の凝らないやりとりに乗った形で一通りのプレイ方法が学べるうえ、「技術を研究するべし」「戦法を発動するべし」といった項目ごとに分かれているため、一回ではよく分からなかった、忘れてしまったことについては該当部分だけ任意に復習できる。シナリオのプレイに入る前に、一通りこなしておこう。
......それにつけても、200数十万石の大大名でありながら、400数十年を経てなおコメディ仕立ての寸劇のネタにされていようとは、父親である氏康の慧眼でもなかなか想像できなかったろうと思うが、どうだろうか?
●電撃的な四国統一を通して、今作を味わう
さて、体験版の目玉であるオリジナルシナリオ「鳥なき島の蝙蝠」は、チュートリアルで憶えた事柄を実際に試す機会といえる。元親を戴く長宗我部家を率いて、一条家、西園寺家、河野家、三好家を打倒し、四国を統一するショートシナリオだ。3年というタイムリミットが、このシナリオを手ごろなサイズに収めると同時に、緊張感のある展開を演出している。実際、外交要素を除いたほとんどのルール/システムを体験できる一方で、家中の武将達にあまり余計なことをさせていると、たちまち時間が足りなくなる。各種ルールを試してみるのと、シナリオの勝利を目指すことは別に考えて、繰り返しプレイしてみるのがよいだろう。
この記事では、難易度設定「上級」で、シナリオをクリアするまでの過程を通じて、プレイ内容を紹介してみたい。必然的にネタバレ的要素も含んでしまうため、「自分で考えてクリアしたい」という人は、ここでいったん記事を読むのを中断していただいたほうがよいだろう。
プレイを始めると重臣達が、現在の長宗我部家および周囲の大名家について説明し、どの順番で各大名家を攻略していくべきかアドバイスをくれる。個別の状況を確認してみても、このアドバイスはいたって適切なので従うべきだろう。つまり、まずはもっとも近い土佐西部の一条家を降し、時計回りに西園寺家、河野家と攻めていき、最後に阿波の三好家を打倒しましょう、という順番だ。三好家は城を複数持っている大勢力なので、いきなり攻めてつまずくと、シナリオのタイムリミット内にリカバリーが利かないおそれがある。また、初期状態で阿波と土佐の間には街道が通じていないため、こちらの本拠地である土佐が衝かれる心配は、比較的小さいのだ。
そんなわけで第一ターゲットは一条家である。お隣伊予の西園寺家と同じく、藤原氏一門であるあの一条家の一派が、現地の荘園に下って直務(じきむ)支配を繰り広げるうちに、現地の豪族達を従えて戦国大名になったという名門だ。実を言うと長宗我部家から見ると主家筋に当たるわけなのだが、そういった事情はとくにゲームのプレイには影響しないので、とりあえず手ごろな征服先といえよう。
土佐中村に陣取る一条家の兵力は8000強、こちらは2万強といったところで、家中の武将達の禄高設定から言って、全兵力を同時に動員できる。ここではとくに何も考えず、「統率」の値が高い順に武将を5人選び、全兵力で出撃すればよい。
武将のトップ5を選ぶと、そのまた頂点が当主たる長宗我部家元親になってしまうのはちょっと寂しいものの、小大名家ではよくあることなので気にしてはいけない。そしてやや面白いのが、長宗我部家で軍事向きの武将を見ると、その「兵科特性」がほとんど「足軽」であることだ。きっと「一領具足」と呼ばれる郷士の大動員が、長宗我部家の覇業を支えていたというイメージの表現なのだろう。
●城を陥落させたあと、やるべきことは4つ
出撃時の「陣形」は、城攻めに向いた「包囲」でよい。こちらの半分以下の兵力とあっては、一条家が迎撃を意図して野戦に打って出てくることはまずないし、途中の村々を個別に攻略していく必要もとくにない。後者については、製品版のプレイでは重要なテクニックになりそうな気もするが、このシナリオ、この状況では一直線に中村御所を目指してしまって差し支えないのである。
2~3カ月包囲し続ければ、中村御所は兵力と士気を減らしていき、やがて陥落するだろう。城が陥落してこちらのものになったら、ゲームの進行をいったん止めて、次のことを一通りこなしておきたい。次に陥とした城でも基本的に同じ作業を繰り返すべきなので、よく憶えておいてほしい。
・本拠である岡豊城から中村御所へ、主要な武将を「呼寄」せる
・捕虜から有用な人材を召抱える
・岡豊城から中村御所へ物資と兵士をほぼすべて「輸送」させる
・「呼寄」せたあるいは召抱えた内政系人材で、中村御所付属の武家町を開発する
3年しかないショートシナリオなのだから、とにかく先を急ぐべきだと思う人もいると思う。だが「信長の野望・天道」の城攻めには、陥落させてある程度の時間をおくことで、負傷者が戦線に復帰し、表面上失った兵力の大半が"返ってくる"という特徴がある。要はこの、負傷兵の療養期間を利用して、次なる敵を攻めるための準備を進めるのがセオリーなのだ。また、上に挙げた四項目については、実際にこのとおりの順番で、上から下へこなすのがよいと思う。例えば人材の登用には、使者の能力や性質も影響してくるので、まずは自家のほとんどの武将を使える状態にしてから、使者を決めたほうがよい......といった具合である。
まず、当主不在の岡豊城の守備をある程度任せられる武将1名、そしてそれ以外の雑事をこなす武将1名の計2名を残して、全武将を中村御所に「呼寄」せてしまおう。武将単独での移動は瞬時に済むので、タイムロスはほとんどないはずである。そして、城が落ちた段階で捕虜にした一条家の家臣のうち、「統率」や「知略」、「内政」の値に見るべきところのある武将を3~4人くらい召抱えると、あとの展開が楽になる。
同時に、岡豊城に残した"雑用係"の武将を使って、軍馬や鉄砲、兵士といった物資を中村御所へ運ばせることで、戦線を前に進めていく。陣取りストラテジーの基本テクニックとして、新たに獲得した領地の物資/人材を根こそぎ主力部隊側に吸い上げて、次なる領地征服に向かわせる「イナゴ攻め」という方法があるが、このシナリオでやるべきは、まさにそれだ。
そしてこのシナリオの特殊事情だと思うが、ほかの大名家は自領内に「募兵」ができる施設をいっさい建てていない。結果論から言えば、長宗我部家としても敵の領地を吸収していく過程で十分な兵力が確保できるので、とくに「募兵」を行わなくても大丈夫なのだが、どこかで手痛い敗北を喫したときの保険として、中村御所城下の武家町に「道場」をいくつか建てておき、岡豊城ともども、夏と冬の農閑期には「民忠」を見つつ、随時「募兵」を行うと安心だ。どうせ、軍資金は有り余るほどあるのだから。
●道普請を進めつつ、次なる大名の城に迫る
あとはこのパターンで、一条家と同じ中央貴族出身の西園寺家が持つ黒瀬城、源平時代から伊予北部に勢力を誇る河野氏の、本拠地たる湯築城と、順に落としていけばよい。ただし、黒瀬城が位置する伊予南部と、土佐の間には街道が通っていない。これだと、城を攻めるまでの時間がかかり過ぎるので、まずは土佐の北西端から発して伊予国内の街道につなげる形で、新たな街道を拓く必要がある。
道路を作る「工作隊」は、編入する兵士が多いほど、ハイピッチで作業を進めてくれる。中村御所で負傷兵の療養が一段落し、ある程度兵力が集まったら、次に出撃させる予定の有力武将5人くらいにフルで兵を持たせてみて、その残りの兵力をすべて工作隊に割り振ることを考えたい。工作隊を指揮する武将も、統率による指揮可能兵力の制約を受けるので、そこも留意点だ。そして道がつながり次第、中村御所のときと同様に、城に向けて一直線に主力を進ませれば、それで OKである。
河野氏の湯築城には優秀な武将とそこそこの兵力が揃っているので、城にいたる街道の主要部に櫓や砦を築いて妨害を試みるかもしれないが、主力軍団に家中の有能な武将と、十分な兵力を集中している分には、それらの破壊にある程度時間を取られるにしても、とくに大きな障害とはならないだろう。
河野氏を倒して伊予全域を手に入れたとして、三好家が固める阿波に進むためには、またまた新たに街道を引く必要がある。伊予南部のときと異なり、こちらの進撃路となることが丸分かりなせいか、はたまた三好家に十分な人材と兵力があるせいか、三好家はこちらの道路整備を妨害しに来ることもある。ただしそれは、考えようによっては三好の兵を各個撃破するチャンスとも言えるのだ。
湯築城まで手にしていれば、こちらも兵力にかなり余裕が出る一方、そろそろ残りのプレイ期間が1年そこそこになっているだろう。黒瀬城攻略時と同じ規模の工作隊――つまり2000数百人程度の兵力――の分に加えて、1万人かそこらの兵が揃った段階で、まずは工作隊を出発させよう。そして、道普請を妨害しに出てくる兵力を見極めつつ、対応を決めればよい。敵の兵が4~5000以下であれば、工作隊に命令を出して城に戻らせつつ、城から兵を出して返り討ちにすればよい。敵がもし、それ以上の兵を出してきたなら、城の兵が揃うまで、道路整備を見合わせるほかないだろう。そして、問題にするほどの敵が来なかったなら、三好家の十河城を囲むに足る2万強の兵が集まるまで、そのまま工事と待機を続ければよいのだ。都合四つの城を持っている以上、待ちさえすれば3万以上の兵が揃うはずであるが、各個撃破に成功すれば、それだけ十河城の陥落が早まる。チャンスは逃さないようにしたいものの、逃げる敵部隊を追いかける形で、逆に十河城の近くまで部隊がおびき寄せられたりしないよう、くれぐれも注意したい。
最後の勝瑞城を期限内に落とせるかどうかは、ここまでの戦いをいかにスピーディに運べたかにかかっている。人材に恵まれた河野家と三好家が相手の篭城戦では、城方もさまざまな「戦法」を使って応戦するため、攻撃側の兵力と士気にも損害が出る。ほかの城と同様、2万を超える兵力で囲めば時間の問題ではあるが、やはり半年くらいの残り時間を持って攻撃に入りたいところだ。
●勝つための工夫意外にも、いろいろ試してみたい
前述のとおり、シナリオとして勝つためにはシンプルに進めたほうが効率がよいものの、この体験版では技術開発や施設の建設などといった、内政/軍備関連のシステムも一通り試せる。兵糧と軍資金ははじめから大量に用意されているので、シナリオの勝敗は度外視して、いろいろ試してみるのもよいだろう。
例えば前作である「信長の野望・革新」と比べてみると、新たに町並を作るといった要素がカットされ、町中に施設を建てることについても、その操作や選択肢はかなりすっきりと整理されていることが分かるはずだ。さすがにこの体験版のオリジナルシナリオほど極端ではないにせよ、前作よりもずっとスピーディにプレイを進められそうに、思えることだろう。(Guevarista)
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