「信長の野望・天道」連載(第2回)「街道」を核にシステムを整理した「天道」
9月18日13時38分配信 ITmedia Gamez
歴代作品で積み上げてきた魅力的なプレイ要素を受け継ぎつつ、いかにプレイしやすいゲームシステムを組むか? 「信長の野望・天道」はそうした課題に答えるための切り札として、街や各種拠点同士を結ぶ街道に注目した。
この着想はおそらく、史実において織田信長が行った安土-京都間の街道整備などをベースにしたものでもあろうが、「信長の野望」のプレイを構成する軍事要素と内政要素を有機的に連携させる、一種の卓見と評すべきかもしれない。プレイ要素としての軍事と内政は、ともすれば二つの山に分かれてしまいがちなわけだが、街道の掌握と整備を主たる課題に据えることで、それらはおのずと一つに統合されるのだ。
今回はそうしたデザインコンセプトを意識しつつ、「信長の野望・天道」の具体的なプレイ要素について紹介していこう。
●内政としての街道整備――技術と経済が往来する街道
「天道」ではそもそも、自領の掌握方法からして従来作品とは異なる発想をとっている。「天道」において、農地や市街地からなる生産と技術開発の拠点は「集落」と総称されるが、この「集落」は、城から「街道」をつなげることで支配下に置けるというのが、本作独自のルールだ。メインマップは「信長の野望革新」のものに似た3D全国マップだが、「街道」の有無が記号としてはっきり描かれているのが分かるだろう。武将率いる「工作隊」を派遣して連絡路を作るのが「天道」における領地掌握である。戦国時代において、大名勢力の境目に位置する村はしばしば両方の大名と関係を結ぶことで安全を確保した。「天道」における街道はいわば、領地に対する各大名の相対的な(つまり必ずしも排他的でなく、常に揺れ動く)影響力を象徴するルールと考えるべきだろう。
大名が支配できる「集落」の中には「匠ノ町」という施設もあって、武器や戦術を含む技術研究はここで行う。ここは「革新」で導入されたプレイ要素を引き継ぐ部分だ。開発した技術を保持しているのは町そのものなので、町が他大名に奪われれば技術も失われる。研究投資で技術を高めていくことだけでなく、それをどう守るかも今作の重要なポイントだ。
また「街道」は、山や川に遮られて軍勢が通れない地形にも開鑿(かいさく)可能で、街道の有無はその先の「集落」を支配できるか否かだけでなく、自軍の行動範囲をも左右するのである。
●軍事としての街道掌握――進撃路と防衛ラインに沿った施設展開
「街道」が支配の象徴であるなら、戦争もまた街道をめぐって生じる。敵の「工作隊」が自領近くまで道を引こうとしたら、これを阻止するために軍勢を差し向けることになるのは必然だろう。そして「天道」には、「砦」「櫓」「狼煙台」「兵糧庫」「陣屋」という5種類の軍事施設が設定されていて、いずれも自軍の軍事行動を有利にしてくれる。例えば「櫓」と「砦」は弓矢で敵部隊を攻撃してくれるし、「狼煙台」があれば敵に奇襲をかけられる。自軍の進撃ルートに沿ってこれらを配置すべきなのはもちろん、想定される敵の侵攻ルート上でも役立つことだろう。
また、自領内には「支城」を建てることも可能で、「支城」と各集落を街道で結べば、本城とほぼ同様の機能を果たす。防衛拠点として、あるいは進撃路に沿った出先機関として使えるファクターだ。
支配できる「集落」のなかでも、大名家の戦闘に深く関わってくるのが「諸勢力」だ。家臣団でもその下の領民でもない社会集団は、「信長の野望・嵐世記」以降拡充が続いているファクターだが、今作では合計16種類登場する。「諸勢力」には契約関係を結んで協力を求めるだけでなく、「革新」同様に、大名が傘下に収めることも可能なシステムとなっている。今作の「諸勢力」は通常、本拠地の隣国までしか進出できないが、大名家がこれを「お抱え衆」とすることにより、全国で活躍するようになる。そして、活躍を重ねることで規模が拡大していくのも、今作における「諸勢力」の特徴だ。
今回初めて登場する「諸勢力」としては、史実において武田家の下で戦闘にも活躍した金掘り集団「百足衆」や、各大名家で重用された城の石垣積み職人集団である「穴太衆」(あのうしゅう)が挙げられる。これらの勢力は、その独特の職能を生かして城攻めに活躍する。同様に、関東で鎌倉時代以来続く中小武士団である「武蔵七党」の軍勢や、瀬戸内を舞台に活動した海賊/海民集団「塩飽衆」も登場する。大名家にとっては陸路のみならず海路も重要であって、彼らを味方につけられれば、覇業の達成に一歩近づくことになるだろう。
戦闘に当たって、各武将は得意技ともいうべき攻撃方法である「戦法」を一つずつ持ち、戦闘開始後の時間経過につれて伸びる「闘志」ゲージが、たまることで発動可能になる。歴代作品と同様に「天道」でも人材こそが大名家の柱石だ。
「戦法」には、通常よりも効果の高い攻撃手段のみならず、同じ「陣」(後述)に属する味方すべての戦闘力/破壊力を引き上げたり、敵部隊に状態異常(混乱など)を引き起こしたりするものもある。
「戦法」をめぐって、もう一つ重要なルールが「戦法連携」だ。これは、ある部隊に「戦法」を発動させたとき、同じ兵科の部隊が自動でこれに連携することにより、単独での「戦法」攻撃よりも大きな効果が上がることがある、というルールだ。「戦法連携」の発動を視野に入れて同兵科の部隊を集めておくことも、ときに有効な戦術となる。
出撃する各部隊には最大5部隊で「陣形」を組ませることが可能であり、それによっても発揮戦力が変わる。近接戦闘部隊と射撃部隊それぞれの攻撃力を上げるものや、防御力を上げるもの、移動や攻城戦闘など特定目的に向いたものや、「戦法連携」を発生しやすくするものなど、「陣形」の効果は種類によって大きく異なる。戦闘においては個々の武将の活用のみならず、それをチームとしてどう運用するかも考えどころである。
●全6本のシナリオには――オールスターキャストの仮想戦も
「天道」に収録されるシナリオは、仮想戦1本を含む6本。このうち、1546年にスタートする「信長元服」、三好長慶の絶頂期でもある「尾張統一」(1555年)、島津・大友・竜造寺による"九州三国志"の構図が成立した年代でもある「信長上洛」(1568年)、武田家が滅亡に向かうターニングポイントとなった時期を扱う「長篠の戦い」(1575年)、史実において本能寺の変で信長が倒れた1582年から始まる「夢幻の如く」の5本が史実戦だ。
残る1本は1565年を一応のスタート時期に設定しつつも、扇谷上杉家の名将・太田道灌、後北条氏の祖である北条早雲、山名家の被官から鮮やかな下剋上を成し遂げた尼子経久(大河ドラマ「毛利元就」の緒方 拳、怖かったなあ......)ら、戦国時代初期の武将を交えた仮想戦シナリオ「群雄集結」である。
いずれのシナリオについても「全国モード」と「地方モード」が用意されていて、後者ではそれこそマップを九州だけに限って地域の覇権を争うといった、比較的短時間のプレイが楽しめる。「チュートリアルは終えたけど、まだコツが掴めていなくて......」というタイミングでゲームに慣れるためにも、有用な設定だろう。
「信長の野望」シリーズらしい魅力を引き継ぎつつも、「街道」をはじめとする新機軸を盛り込んだ「天道」がついに発売された。まずは本作の魅力を試して見たい人は、公式サイトにて体験版を配布しているので試してみてはいかがだろうか。体験版では、父・氏康を亡くした直後の北条氏政(バカ殿様役である)と、その大叔父北条幻庵(こちらは、口うるさい爺や役)によるコメディ仕立てのチュートリアルで、今作のプレイ方法がひととおり理解できる。また、長宗我部元親による四国統一を扱った体験版オリジナルシナリオ「鳥なき島の蝙蝠」がプレイでき、外交関連などごく一部の機能を除いて、「天道」のゲーム性を一足先に楽しめる。
まずはこの体験版で、進行が軽快になった「信長の野望」シリーズ最新作の魅力に触れてみよう。
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